現役選手が思うこれからの柔道界について

2021年6月7日

柔道業界について考える

こんにちは土井(@takeshidoi)です。

今回はこれからの【柔道界】はどうなるのか?ということを僕が思うことを述べていきたいと思います。
初めに言っておきますが、あくまでも僕は予言者でも無いし、賛否両論があると思うので気分を害された方がいれば申し訳ありません。

1人の選手として、どのように考えているのか?胸の内をお話しようと思います。
結論から言うと、悲しいことに柔道人口は減少を続ける。というのが僕の答えです。

理由や考えを下記の項目でお話していきたいと思います。

減少している町道場

4歳の僕in堺の土師道場

基本的に、柔道を始めるきっかけになる場所は、柔道の選手の多くの場合は習い事として始まる町道場が多いです。
上記の写真は僕が4歳の時に柔道を始めた姿ですが、年々柔道人口というのは減少しているみたいです。
大阪の柔道で町道場と言うと、昔は米田道場、杉田道場、野遠道場がありましたが、先生の高齢化による閉館などがあり、寂しいものです。

この柔道を始めるきっかけ(町道場)が減っているというのも人口の減少だけでなく、柔道の人口の減少につながっていると思います。
また、僕は柔道場を経営しているわけでは無いので、偉そうなことは言えませんが集客する力というのも町道場には求められる要素かもしれませんね。

中体連の大会(全中)が無くなる疑惑?について

国の方針で一時は中学の部活と、町道場で行うスポーツを切り離し、中学の部活での全国大会を無くす案が出ていたという話を聞きました。
理由は複数ありますが、中学校の先生の勤務時間が部活を合わせるととんでもない量になるのも理由みたいですね!

ちなみにヨーロッパでは部活での大会という概念は無く、クラブチームで所属して大人になっても競技を行うというのが普通であり、ヨーロッパではクラブチームの団体戦などがあります。
こういった背景を考えうると、町道場の経営的にはヨーロッパのようになるのが町道場の先生にとっても、教員にとっても良いような気はしますね!

東京五輪後の柔道とスポンサー企業はどうなるのか?

コロナウイルスによる中小企業の倒産、大企業の赤字から益々アスリートの広告費が苦しくなると想定され、東京五輪を迎える間もなくスポンサーから離れた企業もいる状態です。
そして、柔道の選手も公務員(警察官)柔道家と、大企業に所属している選手に益々別れていくと思います。
その結果、スポーツによる就職も圧倒的な結果・もしくはコネ?的なものが無いと厳しくなると思います。
そして、中小企業で完全な支援を得られない選手は生活が厳しくなるかもしれません。

無気力になって引退する選手も増えるはず

企業やスポンサーによるスポーツジム代・サプリメント代・テーピング代の支給・家賃補助も無く自費で、最終的には練習のための交通費も出ない状況になっても大丈夫な選手は柔道家にはいない。
そのため親に頼るか・引退するしか方法はないが、引退後に競技しかしてこなかった選手が変化の激しい時代の上場企業で働けるのだろうか?なんてことも思いますが、僕は柔道よりきついことは無い!と思っていますので、「頭を下げること」ができれば乗り越えられると僕は思いますね(笑)

企業は安く選手を雇えればラッキー

企業側は1人の選手で安く雇えれば、安く広告を打てるということ。
企業の行動は間違いではないし、選手1人を支えるということは企業に選手はそれだけの価値を見出す必要がある。
さて、柔道家(自分)には世間の認知度・競技の認知度を考えて「給料を上げてくれ」と会社に言えますかね?

おそらく人気の競技であり、五輪メダリストなら安い買い物、広告感覚で支援はあるかもしれないですが、日本の大きな大会の入賞者・海外の実績などの選手は毎年生まれますから、柔道家が支援を望むことは難しいんじゃないかな?と現役選手ながら感じることがあります。

スポーツの実績だけが価値では無い時代

今までは、スポーツの実績が価値となり、それも変わらないでしょう。
ですが、現代では影響力のあるメディアがTVだけではなく、YouTube然り、SNSなども影響があるのが現実です。

また、とある格闘家は、実績だけ見ると普通(僕の実績目線)では大して凄く無いですが、エンターテイメント性や一般の人ではできないバラエティ視点でのマーケティングに成功し、YouTubeで有名になって、超有名でスポンサーも凄いです!

ですが、「競技に集中していないから負けるんだ」という人にとっては、僕が間違っているという答えになる人もいるので、これは賛否両論ですね!

柔道人口はコロナが終われば数字上では増加するかも

2020年の柔道人口はたしか約14万人でしたかね?
これで【全柔連が1億円の赤字】というニュースが出ましたが、これは全柔連登録・柔道の昇段審査・大会が減ったからでしょう。
また、個人的には数字上では1度「柔道人口増加」と誰かが騒ぐのでは無いかな?と思っています。

2020年は試合が1度も自分たちの大会が無ければ、コンタクトスポーツのため柔道部に入部しないなどもあったため「全柔連登録にあえて登録する必要が無いから今年は登録しない。」という選択肢も多かったのでは無いでしょうか?
そのためコロナウイルスが落ち着けば少し数字上は増えるかもしれないですね。
ちなみに、柔道が人口増加するタイミングは4年に1回のタイミングの「オリンピック後」だと思います。

まあ、正解はありませんがこう言った問題を予想して、今後の人生を設計して行動をしていく必要がこれからの柔道家には求められるのかもしれませんね。
難しい問題ですが、そんな現代の柔道業界について、諸々を考えました。

長くなりましたね、それではこの辺で!
では皆さん時間を大切に、良い1日を。