柔道の段位の【取得費用・難易度・段位】について現役選手が解説
こんにちは、土井(@takeshidoi)です。
早速ですが「柔道の段位は何段ですか?」と一聞かれたことはありませんか?
僕は現役選手として活動していく中でこの質問は何回されたか分かりません。
ですが、世間一般では“柔道の段位=強さの証明”になるのは仕方ないことかもしれません。
ちなみに先に言っておきますが、“柔道の強さ=段位の高さ“ではない(笑)
高校生になって、柔道の初段のお金さえ払えば、天理高校ならすぐに初段を貰え、黒帯を撒くことができますからね!
また、大学まで柔道をして努力と手間を惜しんで、【お金さえ払えば3段】くらいにはなることは可能。
基本的に柔道の昇段は「昇段試合での点数」と「段に応じた形」が必要となりますが、大学生で現役をしていれば、“大学の大会の成績も点数に加えることができる”ので後は「形」を取るだけで簡単に昇段することができます。
それに対して昇段するのが難しいのは大人(成人)になってから、柔道の段を取得しようとしている人ではないでしょうか?
まあ、理由を簡潔に言うと、現役の大学生や高校生と試合で対戦する可能性があるからです(笑)
流石に現役で毎日稽古をしている選手には勝つのは難しいと思います。
また、昇段試合では基本的に勝ち抜き試合となりますので、連続での試合は練習不足の社会人にとってはかなりきついと思います。
こういった昇段試合のお話や、今回はよくある「段位」についての質問と柔道の段位を習得(取り方)するまでの流れをお話します。
【柔道の段位】って意味あるんですか?という質問
柔道の段は意味あるんですか?という質問がDMで来たことがあります。
かなりアバウトな質問ですが、この質問には下記のような意味があると思われます。
- 柔道の段を取っても就職に役立つか?(履歴書に書けるのか)
- 柔道の段は何に役立つのか?
- 柔道の段は社会的地位はあるのか?
こういった質問のニュアンスだと僕は感じたので、今回の記事に書こうと思いました!
先に【柔道の段位】って意味あるんですか?に対しての結論を言いましょう。
柔道の段位は特定の人にとって素晴らしい資格として履歴書に記載できますが、一般企業の人やアルバイトには柔道の段位は資格(履歴書)には全く意味無いです(笑)
しかし、社会的地位といった面ではやはり効果があるというか、これも柔道の段を発行している全日本柔道連盟の信頼が凄いんだな!というように感じるのが現役選手としての意見であるため、どのような人が柔道の段位を取るべきか?次の節で説明しましょう!
柔道の段位(資格)を取るべき人
“どのような人が柔道の段位を取るべきか?”という質問
それに対しては次の5項目に当てはまる人は柔道の段を取るべきです!
- 警察官に就職したい人(柔道の段位(3段以上)は筆記試験において加点されます)
- 保健体育の教員(学校の先生)を志望する人(特に中学校は武道必修化されていますので、柔道の授業もしくは剣道の授業を指導しなければならないので、資格として有効)
- 刑務官(武道での受験)
- 柔道の指導者(町道場の経営者・柔道部指導者)・関係者
- 柔道に携わっていたい方
- 柔道を詳しく学びたい方
基本的に柔道の2段までは誰でも取れるため、警察官の試験でも優遇されることはほぼ無いと思っていいともいます。
そのため柔道の段での加点が欲しい人は3段以上を取得するのをお薦めします!
また、何故柔道が警察官の試験で加点されるか?というと、警察官の訓練では逮捕術や、剣道、柔道を警察学校で学ぶため、やはり武道経験者の方が良いのでしょう。
というか、市民の人も弱そうな警察官よりバリバリの柔道家や剣道家の方が守ってくれそうに思えません?(笑)
上記に当てはまらない人は正直いらないです。
理由は、柔道の段は昇段する度に莫大な「お金と時間」が掛かる!これに限りますね(笑)
帯の色や段位の役割
柔道は何段まであるのか?
どんな意味があるのか?
こういった疑問があると思われます。
段位に関しては柔道の色は【白―黒―紅白】といった順に変わり、段位は10段まであり初段から5段までは黒帯
6段から【紅白】帯
9段からは【赤帯】となる(女子は8段から)。
ちなみに学校の先生は別ですが、町道場の経営者(道場の先生)はたしか5段か4段が必要だった気がする(グレーゾーン)。
実際の指導者の中にもあまり昇段したがらない先生もいるので、柔道の段位は4段も無いが師範をしている人もいるとかいないとか。
まあ、あまりよろしく無いのですが柔道の段を取るのは本当に面倒くさくて時間とお金が掛かるんですよね。
また、柔道家は試合に出る時は紅白帯を付けれたとしてもつけない人が多い!
あまり帯の実力は段位に関係ありませんから。
だが、柔道の段位は各段ごとに獲得すると、数年は修行年数として獲得できない期間があるため“一気に高段位になるということができない“ので3段以上を目指す方は中学や高校から上位の段を取得することお勧めします。
※柔道女子の黒帯も昔は真ん中に白線があったが、今は男子と同じ黒帯に統一。
柔道の段は3段くらいから履歴書に書いて意味があるかもしれない
“柔道の段は履歴書に意味があるのか?“
柔道の段位ははっきり言って、公務員さん意外に効果があるかは謎です。
もちろん警備員やボディガードなどの仕事は別と思いますが、基本的に一般企業では”柔道していたんですね”ぐらいの反応かもしれません(笑)
また、柔道の段は2段くらいまでは正直誰でも取れますので、公務員さんの警察試験の加点、教員採用試験の柔道に対しては無いよりかはましでしょうが、あまり意味は無いと僕は思います。
特に初段はお金を払うだけで取得できる学校もありますので、本当に意味はない(笑)
実際に現役で柔道をしているが、実力はあるけど昇段はしていない!という選手は多いので、柔道の段と実力は関係なので柔道が強くなりたいという人はあまり段位は気にしなくていいと思います。
しかし、資格という意味の段位が欲しい人は柔道を学ぶしかない!と僕は思います。
段位を昇段するためには4つの条件
(中学2年生の時に大阪修道館で昇段試合を受けた時の写真)
段位を昇段するためには4つの条件達している必要があります。
- 最小年齢(初段(黒帯)は年齢制限がある)
- 段に応じた柔道の形の習得
- 修行年数(段を取ってから次に段に昇段するための期間)
- 試合成績(柔道の試合での点数が必要)
※初段の取得には14歳からという年齢制限があり、最少年齢の制限は早生まれの子供などは中学3年生まで黒帯を取得(審査を受けることができない)することができない。
ちなみに僕は14歳の時に3人抜きを果たし黒帯になった。
昇段試験の参加の申し込みはこの写真の「講道館大阪2階受付事務所」でできるので、アクセスを載せておきます。
〒536-0022
大阪市城東区永田4-15-11
(財)講道館大阪国際柔道センター内
地下鉄 深江橋から北へ200m
昇段試合の大阪の試合会場は大阪城内の修道館
大阪城の写真
※この際に試合で得た点数・形の講習習得を記入する用紙をもらうのを忘れないように。
しかし、柔道の昇段試合は大阪城内の修道館で行います!
試合会場である修道館へのアクセスは?
大阪城の中では無く、修道館は大阪城の門の外側にある修道館と呼ぶ建物内で行います!
夏は暑く、冬はとても寒い場所なので体調に気を付けてください!
また、大阪人が知っているプチ情報ですが、大阪城内に行くのはJR大阪城公園駅より、JR森ノ宮駅の方が近いのでお勧めです。
僕が歩いた感覚で言うと、坂や階段があるのでかなりしんどいですし、個人差はあるので20分から30分はかかると思って、余裕をもって会場まで行ってください。
また、車は駐車場代がかなり高いためあまりお勧めしません!
ちなみに【受け付けは別場所】で、事前に上記に書いてある大阪の講道館で受付で2,000円を事前に払っておかなければならない。
そして、試験当日に修道館の受付でその申込書類を見せることになる。
柔道の昇段に関する「費用」と「流れ」と昇段試合の内容や難易度
柔道の段位習得に必要なお金は?と聞かれると、これは各都道府県の柔道地区によって多少の金額の差はあるものも共通して言えるのは“めちゃくちゃ高い!!”
実際に僕が住んでいる大阪を例に流れを紹介していこうと思います。
まず、柔道の段を取得するには昇段試合、もしくは普通の大会で段位に必要な点数を試合で【勝利・引き分け】によって重ねることによって、昇段に必要な点数が溜まります。
昇段に必要な点数は段によって変わりますが、基本的には10点が必要です。
基本的には柔道の試合は、【勝ち1点、引き分け0.5点】
(相手の段によって加点は変わります。)
また、1日に10試合もさせてもらえないので、全勝している方でも最低3回以上は通う必要はあると思う。
(初段は全勝すれば1回で済みます)
他にも昇段試合とは別の一般の大会で勝利することによって、段の加点が溜まるので、一般の大会に出るのもお勧め。
※昇段試合の難易度は一般の方は現役の柔道家(高校生・大学生の強豪)と当たればまず無理(勝てない)なので、怪我をしないようにしましょう。
ですが、一般の方同士であればチャンスはありますので、何回も諦めずに通うことですね。
ちなみに一回戦で秒殺されて大阪城から帰ることも全然ありますので、その場合は運が悪かったなと思ってください(笑)
段位のために柔道の形の習得
試合以外にも柔道の技の源流となった形を習得する必要があり、1度で2時間ほどの講習時間で済みます。
費用は段位によって異なりますが、高段になるほど金額が上がります。
(初段3,000円~20,000円)
形を習得し、柔道の試合の点数が溜まればもう1度、講道館大阪2階受付事務所に行き用紙を記入して提出し、全日本柔道連盟にお金を振り込むという流れ。
(※柔道の加点の紙を絶対に忘れないように。)
後日、昇段した証である賞状と、講道館柔道の段のカードが家に届きます!
「そんなに高くないな・・・。」と思った皆さん、1番高いのはこの振り込みです。
初段から8段までを基準として約20,000円(初段)から約150,000万円(8段)ほどかかります。
また、上記の費用と合わせると初段でも最低でも「3万円」は必要です。
莫大な費用は掛かりますが、将来的に柔道に関わるのならば、個人の成績などが無い場合は昇段をお薦めします。
因みに僕は28歳で4段です。
一般の人は「柔道の段位=柔道が強い」と思っている
誰でもわかると思いますが自分が指導者になり、初段を生徒が取った時に指導者の段が低い状態だと、生徒は指導者に不信感を抱く可能性があります。
「先生は僕と段変わらないけど、本当にすごいの?」という感じで、柔道をしていなかった保護者とかの視線を一般的に見るとこういった視点があります。
まあこういった社会的優位性が柔道の段の価値であり、ある意味日本柔道界の信頼と言っても過言ではないかと思います。
最後に柔道の段位には、有効期限や更新などは無いので安心してください。
長くなりましたが、この記事が皆様の役に立つことができれば幸いです。
時間を大切に、良い1日を。
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