【就職・就活・転職】スポーツ選手の現実は簡単ではない

2021年10月12日

こんにちは土井(@takeshidoi)です。

スポーツ選手はどうやって就職先を見つけているの?
スポーツ選手は仕事をしているの?
といったことについて、気になったことはありませんか?

僕自身、転職を2回行った経験があり、現役選手としては数が多い方で“普通の会社員と同じ勤務を行いながら現役をした経験”もあります。
しかし、現実的に現役選手として競技を続けるうえで、練習と仕事の両立は非常に肉体的・精神的に辛い部分が多かったのが本音です。
僕の競技は柔道競技でありますが、僕自身が全日本強化選手(トップアスリートの枠)で長い間競技をしていることもあり、他の競技選手から【就職・就活・転職】や勤務形態について聞くことがあります。
その上で分かったことは“柔道競技は恵まれている”ということ。

柔道競技と他競技はもちろん特性は違いますが、僕の今回の記事は“スポーツ選手として将来収入を得たい”と思う人は絶対に読んで欲しいと思う内容になりました。
未来の若いスポーツ選手のために【就職・就活・転職】や勤務形態について柔道競技を行っている僕視点のお話をします。

最初に働かず柔道(スポーツ)だけをしていればお金を稼げるのか?というのは結論から言うと、“日本強化選手以外の選手は柔道だけをしていれば、生活できる!”という現実は例外を除いてありえません。

例外

  • 生活が苦しいくらいの安い給料(年収)。
  • 両親がお金持ちなど。
  • 自分でスポンサーを見つける。
  • 会社の雇用条件が素晴らしい(奇跡級)。
  • 正社員では無く契約者員

基本的にトップ選手以外はサラリーマンと年収は大差が無いのが現実。
しかし、1流企業で全日本強化選手になり、常に結果出せるようになれば年収1000万は簡単に超える。

スポーツ選手の仕事・生活の現実

【就職・就活・転職】スポーツ選手の現実は簡単ではない その1

基本的に柔道はプロでは無く実業団なので仕事とスポーツの両立が求められます。
そのため基本的に就職先が必要となり、多くのスポーツ選手が民間企業か公務員などの道を選択します。
また、民間企業も契約社員か正社員などで待遇や練習環境が変わってきます。
僕は柔道競技ですが、多くのスポーツ選手は下記の3点が柔道だけでなく、スポーツ選手の仕事と言えます。

  • 柔道を中心とした勤務(仕事)=スポーツの練習。
  • 仕事とスポーツの練習を両立した生活(半日仕事して、半日練習など)
  • 仕事が中心で、勤務終了後に自分のスポーツの練習をする

具体的なイメージが分からないと思いますので、僕を例に挙げましょう。
僕は2015年に天理大学卒業して、ダイコロ株式会社に正社員として入社させてもらい下記のような練習環境を整えてくれました。

  • 仕事とスポーツの練習を両立した生活(半日仕事して、半日練習など)
  • 大きな大会1ヶ月前から勤務は無く、柔道を中心とした勤務(仕事)=スポーツの練習。

今のダイコロ柔道部の環境は僕には分りませんが、このような練習環境を整えていただいたことに本当に感謝しております。
現在は所属先(ダイコロ株式会社)を退社し、三重県スポーツ協会に『契約社員』をして雇用されています。
そのため柔道や競技力向上ためのトレーニングが僕の仕事となっており、1年更新で三重とこわか国体2021大会までの雇用契約となっています。
※三重とこわか国体は中止となった(2021年9月発表)

契約社員なので決して安定した人生ではありませんが、余計な勤務なども無く自分のしたいことに集中することができています。
ですが、正社員では無いため結果が出なければ契約の更新ができない場合もありますので、人生のリスクといった面もありますね。

皆さんは正社員として採用されながら仕事と現役を両立することで選手を続けるか、契約社員として現役生活に集中していく道を選ぶのかどちらを選びますか?

スポーツ選手の就職・就活・転職

【就職・就活・転職】スポーツ選手の現実は簡単ではない その2

スポーツ選手はどうやって所属先の会社を見つけているのか?

基本的にはプロとアマチュアスポーツでは全く違います。
ですが、基本的には高校や大学を卒業後にスポーツ選手として活動していくのは下記のパターンがスカウトの筋(スカウトの順序例)である場合が多いです。

  1. 高校・大学の所属先の監督に連絡
  2. 生徒(目当ての選手)に声を掛ける
  3. 保護者(両親)と話し合う

柔道競技の場合は、競技の成績が優秀な選手は、大学3年生までに企業からのアプローチが生徒または監督にあります。
大学4年生で結果が出る選手もいますが、就職活動の採用の時期を考慮して考えると、4年生になってから結果を出してからでは遅いので、その場合は大学の先生のコネ力がものを言います(笑)

柔道は社会人で柔道選手として、より良い環境(所属先)を求めようすると、下記のような成績が最低必要、もしくは同等以上の成績が欲しいところです。

軽量級 全日本学生体重別選手権ベスト4以上
重量級 全日本学生体重別選手権でベスト8以上。

まあ、結論を述べると、求められる環境が欲しいなら、講道館杯全日本体重別選手権などのシニアの大会で結果を残すことですね(僕はそれでも選べる企業が少なかった)。
ちなみにこれを見て、厳しいと感じる人がいればそれは甘い!と僕は思います。
柔道競技でこの程度の成績で柔道を続けられますが、【他競技では全国優勝をしても競技を続けられないスポーツ選手も溢れるほどいるのがスポーツの世界】だからです。
間違いなく柔道は社会人で続けられる競技としては、恵まれている競技ですね。

簡単にまとめていると、スポーツ選手の就職・就活はどうしているのか?ということをお話しました!
※多少、競技によって僕の記事と異なる部分はありますが、将来的に競技を続けて収入を得ようとする上で必ず知っていてください。

スポーツ選手の転職について(僕は元々ダイコロ株式会社に所属)

【就職・就活・転職】スポーツ選手の現実は簡単ではない その3

(2016年に退職した会社であるダイコロ株式会社の柔道部員)

次にスポーツ選手の転職についてお話したいと思います。
僕自身、2015年に天理大学を卒業してから大可府枚方市にある卒業アルバムの会社で有名な思い出メーカーであるダイコロ株式会社に正社員として採用されましたが、2016年には練習環境と仕事の兼ね合いや、退社しています。
退社した理由は一言で言うと、柔道をこの会社の練習環境では世界を目指せない、信用できるスタッフや人がいなくなったなどの理由が挙げられますが、その後の僕の選択肢は次の3つでした。

  • 別の柔道を続けられる所属先を探す。
  • プロのような状態で勤務先では無く、スポンサーを探す
  • 柔道を引退して、一般人として転職する

こういった道があり、この当時の僕の実績は0216年のグランドスラム東京で2位と、それほど悪くはありませんでした。
ぶっちゃけ結論から言うと、“スポーツ選手”として転職するのは正直厳しいのが現実で、
その反面、サラリーマンとしての転職活動する場合は“スポーツ選手(体育会系)”自分の売り込み方次第で需要でありながらも就職活動らしいこともしたこと無いので、就職活動の方法から学ばないといけないのがスポーツ選手の状況です(笑)

“スポーツ選手”として転職するのは正直厳しいのか?

はっきり言うと、世界代表レベルの選手で無いと、他の実業団(会社)に行くのは会社同士の関係性もあるため非常に難しいと感じました。
また、小さな中小企業ではスポーツ選手を競技だけで正社員として雇用するのは少し難しい部分もあります。
そのため多くの柔道家は現役中に他実業団に転職するということは無く、現役中は同じ実業団にいる場合が多いですね。
結論をはっきり言いますと、現実的に競技を続けるための転職はコネが必要です(笑)

ちなみに僕の転職パターンは柔道の成績(世界クラス)もありましたが、どちらかというと今の職場は後者の「特殊なコネクション」での2021年に三重とこわか国体があるという要因もあって偶然助かりました(笑)

こういった経験から、人気スポーツや圧倒的な実績のあるスポーツ選手で無ければ、特殊なコネクションなどが無い場合は「楽して」転職は不可能に近いと僕は感じましたね。
そのため何かの【資格・スキル】を現役選手の間、または大学生や高校生の間に身につけおくのもお勧めです!

スポーツ選手の競技引退後の就職・就活

【就職・就活・転職】スポーツ選手の現実は簡単ではない その4

就活をすると、スキルも能力も無いと思いこんでいるため厳しいものとなっており、よくあるパターンは下記の3パターン

  • 引退後の仕事は現役が終わる前に次の職場を見つけ、その職場で安定
  • コネクションで学校(中高大)の教員や知り合いの会社に入るのが多い。
  • 自分で転職サイトや企業にアプローチする

特にスポーツ選手に多いのは正社員で採用されてそのまま会社に所属していくという形。
これが一番自然では無いでしょうか?
柔道(スポーツ)の実績で大手企業に入社して、引退後はその企業の社員として貢献していくという姿はよく見られます。

また、教員は昔に比べて人数も余っている状態が多く、現在はコネで通用する世界では無くなってきているのが時代なので、多くの大学生が大学院に行き、論文をたくさん書いています。
個人的にはスポーツ選手だったからこそもう一回、努力を一からするつもりで企業を探して仕事の世界でもトップアスリートのような活躍をしてほしいですね!
努力を一からするつもりで企業を探せば、就職活動・企業へのアプローチはスポーツ選手ならきっと簡単にできる!

僕はスポーツしかしてこなかった、就職活動の方法が分からない、誰か教えてくれと言った考えではなく、自分で行動することが必要!

柔道(スポーツ)と同じ情熱を仕事に向けることができれば、スポーツで1流だった選手は仕事でも必ず1流のビジネスマンになれる!

スポーツ選手のセカンドキャリアについて

セカンドキャリアは「何をしたらわからない」・「僕はスポーツしかしたことない」そんな人に向けて立ち上げたアスリートのセカンドキャリアを助ける転職サイトもある。
例を挙げると、本田圭佑選手の【Next Connect】もアスリートと企業のマッチングを図る転職サイトの1つ。

しかし、スポーツ選手の多くは自分で考えるのを放棄して他人に依存していますので、自分で行動することが大切と僕は思うし、その上でネットのこういった情報に頼るのは個人的にはあまりお勧めしない。

将来のため学生・子供の時にやっておけばよかったこと

【就職・就活・転職】スポーツ選手の現実は簡単ではない その5

“勉強しとけばよかった”なんてことは言いません。

柔道を一筋に一生懸命努力したから今がある!と思っています。
しかし、現実的にはそれだけで生活できるほど甘くないので、将来が不安な方に向けて、僕が柔道をしながらやっておけばよかったことについて書きます。

  • 読書する習慣をつける(文字だけの文はなれないとしんどい)
  • パソコンを触っておけばよかった(27歳にYouTube・blogをするまで触ったことが無かった)
  • 新聞を読む(今の流行りが分かる)
  • 情報収取をする
  • 現役中にやりたいことの資格を取る

こういったことをもっと早くしていれば、もっといい選択・行動を今できていたなと思ったことが何度もあります。

最後に

僕は夢を追いかける人を純粋に応援したいし、頑張ってほしいと思います。
しかし、現実は「教育の義務」は義務教育までであり、生きていく以上「勤労の義務」・「納税の義務」が発生します。
そのためどこかのタイミングでスポーツをやめなければならない可能性が高いです。
成績を考え、自分に見切り(競技をやめる決意)を付けなければ他人に迷惑をかける可能性もあります。
それが高校3年生なのか大学4年生なのかは僕にはわかりませんが、人生を楽しんで悔いのない様に全力で頑張りましょう。
でも、僕は何も考えずに今を全力で生きる!という生き方も大好きです!(笑)

長くなりましたが、僕のBlogでは読者の皆様に役立つ様々な体験や気付きを更新しています。
では皆さん時間を大切に、良い1日を。