全日本柔道連盟のお金問題が現役選手に与える影響について

全日本柔道連盟のお金問題が現役選手に与える影響について

こんにちは土井(@takeshidoi73)です。

さて、今回は、先日話題となった全日本柔道連盟の資金がなくて海外派遣の枠が少ないというのが世間に可視化されました。


お金がないというか全日本柔道連盟の資金不足の要因をまとめると

  1. 東京五輪終了による強化費の削減(JOC)
  2. スポンサーからの資金の不足
  3. 新型コロナウイルスの影響で、形や団の昇段審査の回数が減った

といった感じで、とりあえずお金がない!と公表していますね。

ちなみにですが、全日本柔道連盟は国際大会や国内の全日本合宿は交通費から宿泊費まで、全て負担してくれるといった最高な団体です。

過去には助成金の不正受給などもありましたが、当時は柔道の金メダルの数もロンドン五輪の敗北で少しは影響があったかもしれないので、資金繰りも必死だったのかもしれませんね!

他の競技では、海外派遣は全額実費、全日本合宿は自己負担もしくは半分は実費といったことが当たり前にあるのがスポーツの世界です。

そう、柔道界は選手にすごく優しい組織で素晴らしい環境を与えてくれます。
柔道の人気は全然日本国内では人気がなくてダメですけど。

さて、今回は全日本柔道連盟のお金がないとなると、今後どういったことが予想されるのか?また、個人の選手としてどういった対策をしていくべきか?といったことについて僕の考えをお話ししていきたいと思います。

全日本柔道連盟の国際大会の派遣が減少

SNS等で国際大会派遣された選手を見ていると、昔は全階級派遣されていたのに今では2人や1人といったことが普通にあります。

素直に、これを見て思うのは、素直に引退してよかったなんてことを思ってしまうこともあります。

全日本強化選手Bのベテランは国際大会に派遣されるわけが無いと感じました。

まあ、圧倒的な成績があれば別なのですが、非常に国際大会に派遣する選手すら厳選して選出されるといった状況で柔道という競技、強化選手の人数に対して全員にチャンスはあるのか?など考えると、どうしても若手の方が有利なのでベテランはますますキツくなっていくのでは無いでしょうか?



ちなみに僕が現役の時には大学2年生で講道館杯決勝まで行った時はグランドスラムに選ばれず、若いからまだ試合はあるといった理由で選ばれなかったので、年齢がいけばベテランと言われていたので、ちょっとした柔道の結果のチャンスというよりは“圧倒的な結果を出すこと”が今後の柔道家には必要になりますね!

実費での合宿、国際大会の参加

題名の通り、今後の柔道家は自費で国際大会に出場し国際大会に参加するのも自費、なんて日が来るのでは無いでしょうか?

実際に僕は自費参加のチャンスをもらった時はホテル、交通費、宿泊費などで付人を合わせて30万円くらいは吹っ飛びましたよ。

ちなみに東京五輪で大野将平先輩と決勝していたジョージアの選手に一回戦10秒で負けて、本気でドバイの海に飛び込もうかと思ったのは懐かしい思い出ですw

こんな感じでお金の面は苦労するので、特に学生は収入面が大変ですので、学生のお父さん、お母さんめちゃくちゃ頑張ってください!

そして、現役の社会人選手は自分が所属する会社が国際大会に自費で派遣となった際に援助または出張扱いでお金を出してくれるか?といったところも今後は条件面も考えて行動していくべきです。

ちなみになのですが、他競技では国際大会に参加するための交通費や宿泊費、付き人の食事は全て実費、トレーナーを呼んだりもするのが他競技では当たり前です。

個人的には柔道はオリンピックの指定強化スポーツにも選ばれて、最高の環境で競技をさせていただいているのだと引退してから感じました。

所属企業で収入差の大きい格差競技になっている

皆さんは柔道家といえば、どれくらいの給料があってお金があるのかイメージがつきますかね?
儲かる!とおもっている方も多いのでしょうが、実際は儲かる選手と儲かっていない選手の二極化しているのが競技の実態です。


基本的に自分でスポンサーを見つける以外に柔道でお金を稼ぐ方法とは、良い企業に所属するしかない、といったことがこの競技の実態です。

そのため、柔道家というのは中途採用で他の実業団に所属することが難しいことから、大学の実績で柔道人生が稼げるか決まるのがこの競技の実態です。


ちなみにウルフ選手が旧名:了徳寺学園からパーク24に移籍しましたが、これは東京五輪を優勝してメディアでも有名なウルフ選手だからできたことですし、普通の強化選手如きでは基本的に何らかのコネクションがない限り無理な話ですよ。

具体的に大学生の時に必要な競技の成績は、下記の記事に詳しく書いているので、読んでみてください。



余談ですが、僕は所属していた企業に失礼なので、給与面の方は言えませんが、全日本強化選手にも関わらずお金を持っていない選手でしたねw

これからは選手が自分で資金集めをする時代が来る

これから資金は自分でなんとかしてください!といったスタンスになったら皆さんはどうしますか?
家族に頼るのもよし、会社に頼るのもよし、でも柔道という競技というかスポーツはお金が絶対必要です。
収入が最低限あればなんて考えでは正直競技を続けていくことはできても上を目指せないというジレンマが必ずきます。


その時は必死でスポンサーを探してください。

意外と柔道のスポンサーというか、スポーツ選手を支援したいといった企業はめちゃくちゃあるはずですよ。
というか、スポーツ選手というか個人を支援するといった形でしょうか?

意外と中小企業ってスポーツ選手に関わり応援したいって企業はありますから。
具体的な方法としては、企業のお問い合わせなどから、自分の思いなどを書いて担当者さんからの返信をまったり、電話してみたりするのもいいのではないでしょうか?

柔道着にスポンサー広告は?

実はこれ国際大会などでは、日の丸柔道着にスポンサー広告をつけてはいけないといったことを知っていました?
僕が現役選手の時は、ミズノと東建コーポレーションしかないんですよ。

でも、この2社は柔道(全日本柔道連盟)にスポンサーとしてお金の支援を多くしてくれている企業なので、ここは当然と言えば当然なのですが、なんか個人で柔道着にスポンサー広告を入れられないというのは違和感でしかありません。

ちなみになのですが、柔道の売り上げはミズノさんの中では本当に小さいため、それでも柔道にスポンサーをしていたのですごかったなと今は思います。

東建コーポレーションももちろんその一社ですね!というより、オフィシャルパートナーとしては東建コーポレーションが柔道界に貢献していただいた実績は本当にすごい!
天理高校の先輩が経営している会社というのも有名な話です。


ちなみにですが、2023年末をもって東建コーポレーションとのオフィシャルパートナー契約を満了して、2023年4月からはパーク24株式会社とオフィシャルパートナー契約を締結することになったようですね!

パーク24さんは、僕が大学生ぐらい(約10年前)から柔道部を作り始めた会社で、吉田秀彦さんが総監督をしている会社ですが、本当に柔道競技に新しい柔道家の受け皿を作ってくれたすごい会社とすごい人だなと感じました。


余談ですが、ゴルフとかは帽子の横に小さな広告を入れるだけで100万のスポンサー広告料が普通だとか聞きましたよ!

柔道は、なんでやねん!

ということで、今回は僕の主観が入った記事でしたがこの件をきっかけに柔道界が良い方向へ進むことを願っております!
僕自身もいつか今経営している会社で柔道選手を支援できるような会社にしたい!なんて思った次第です。

それではこの辺で!
時間を大切に良い1日を!

ご挨拶

Posted by 土井 健史