柔道の実業団に入る方法と企業の選び方について現役選手の考察

柔道の実業団に入る方法と企業の選び方について現役選手の考察

こんにちは土井(@takeshidoi73)です。
若い柔道選手が全日本強化選手に増え、実業団の柔道選手や大学生に新しい選手が加えられたのを見て、僕も全日本強化選手Bに初めて選ばれたのが20歳の頃といったのが懐かしくなりました。
さて、今回は僕の経験を踏まえて未来の柔道家や実業団で活躍したいといったと思っている方に向けて、“どうすれば実業団に入れるのか?”・“どんな企業を選べばいいのか?”といった疑問について答えます。

早速結論から申し上げますと柔道の実業団に入るため必要なこと・知っておくと役に立つことは下記の3つ。

  • 圧倒的な柔道の結果・実力・将来性
  • 柔道強豪大学先生からの推薦
  • 企業の経営・採用・方針を知る

上記のような自身の能力、企業の背景が求められます。
また、“実業団=企業の柔道部“に入社することが条件であり、柔道部のある会社に就職するということが前提。
どこでもいいから実業団に所属したい!のであれば柔道部がある企業は県大会3位や圏外のような実力でも、入社さえできれば所属できる可能性は高い!

実業団に入りたい理由として、

実業団に所属している=給料が高い

といったことをイメージされている方もいると思いますが、実業団に所属するからではなく会社の給料が高く設定されていることが多い!といったこともあるため、今回は柔道の実業団についてお話しましょう!
では本題に!

有名な強豪実業団に入るには柔道の成績を求められる

柔道だけでなくスポーツは実績・結果が常に求められ、背負い投げが上手いから実業団に入れるといった楽しいような世界ではありません。
特に実業団(企業)で柔道がしたい!というような方は過去に強豪の実業団では全日本強化選手や全日本学生・講道館杯といった大会で上位の成績の選手が多く、柔道の成績次第で入社できるか決まります。

柔道では強豪の実業団に入社するには“男子選手は大学卒”が多く、高卒で強豪の会社に入社する場合はインターハイで上位の成績・上の階級を求められる場合、年に1人しか採用しない企業もあります。
男子柔道家と比べて女子の柔道選手は大卒メインだけで無く、とある強豪実業団では“高卒しかとらない”といった実業団があり、企業によって条件が変わる。

そんな中、柔道では全日本実業団の団体戦は無差別級がメインであるため重量級の方が条件の良い実業団に入社しやすいため、高校・大学で求められる成績が異なる。

具体的に下記に軽量級を81kg以下とし、重量級90kg以上で実業団に入るための条件を比較しました。
※項目に多く当てはまると強豪実業団に入社しやすくはなります。

軽量級の柔道家(60kg-66kg-73kg-81kg)

  • 全日本学生柔道体重別選手権ベスト4以上
  • 全日本強化選手B
  • 全日本ジュニア優勝→世界ジュニア優勝
  • 講道館杯ベスト8以内
  • 強豪大学の柔道部監督の推薦

中・重量級の柔道家(90kg-100kg-100kg+)

  • 全日本学生柔道体重別選手権ベスト8以上
  • 全日本強化選手B
  • 全日本ジュニア優勝→世界ジュニアでの活躍
  • 講道館杯ベスト8以内
  • 国際大会での活躍
  • 全日本学生柔道優勝大会の活躍
  • 強豪大学の柔道部監督の推薦
  • 体格・将来的に強くなることを期待できる選手

※余談ですが、僕の前後世代では60kg級など小さな階級は、全日本強化選手で全日本学生を優勝しても行きたい企業には行けず、就職に困っている選手もいたので、小さな階級になればなるほど実業団を選びにくくなります。

高卒でも柔道の実業団に入られるのか?

高卒でも柔道の実業団に入られるのか?結論から言うと可能。
高卒を受け入れてくれる柔道部の強い有名な企業をこの場で述べさせていただくと、新日本製鉄の柔道部が有名です。
僕が卒業した天理高校柔道部の先輩も新日本製鉄の柔道部に所属していました。

しかし、強豪柔道部の受け入れが狭いのも事実であり、どうしても大卒の環境で稽古してきたトップ選手と実力差があるため多くの強豪実業団では高卒がいません。

ではどうすれば高卒でも実業団に入社できるのか?というと、知人や“高校の監督の紹介”が9割です。
ということは言い方を変えれば、コネですw
所属している高校の監督は過去に有名な選手、強豪校出身などの条件があれば最低でも県大会3位以上であれば紹介していただける可能性はあります。

給料や条件の良い企業(実業団)の選び方

柔道界は横のつながりあるため、強豪実業団から強豪実業団へ移籍(転職)するといった形は少なく、一度入社すれば他の環境で柔道をするのは難しいといったのが現状です。
そのため、実業団を選ぶ側になった後は実業団の情報を入手する必要があります。

給料や条件の良い企業(実業団)の選ぶために見る視点は下記の3つ

  • 企業の業界・利益率が高いか?
  • 実業団に所属している強豪選手が多いか?
  • 所属している先輩の話を聞く

僕はこの3点が重要だと思っていて、今思えば上場企業であればインターネットですぐに情報が入るので、会社名〇〇+決算情報やIRなどを検索し、会社規模・純利益・純資産なども見るといいですね!
ちなみに僕が最初に入社した会社は印刷業でした。

柔道の実業団に所属している選手の給料

Q. 柔道の実業団の選手が給料は高いのか?
A. 正直言って、サラリーマンと変わりません。
そのため、“会社の給料=柔道選手の給料“と思うと良いので、企業名+給料で検索できるのではないでしょうか?

もちろん例外はあるので、それは下記の通り。

  • 柔道の成績・結果による賞金制度
  • 全日本強化選手になったことによる特別待遇
  • 別途の手当て

柔道の実業団に所属している選手の給料というのは会社の規模や業績で大きく変動します。
むしろ、力を注いでいない実業団でも会社の規模が大きいため会社員として給与が高いということがありますので、柔道の成績が良い=給料が高いは間違いです。
そのため、企業の規模・利益・業界については就活前に注意しておくべきです。

Q. 柔道はどこの実業団の給料が良いのか?
A. 超強豪選手が多く所属している企業です。

この点は柔道選手であればわかりますが、個人のことになりますので控えさせていただきますので、上記の通りとご理解ください。

実業団に所属している柔道選手の普段の生活スタイル

実業団に所属している柔道選手の普段の生活スタイルは下記の3パターン

  1. 1日中時間が自由・柔道をしていれば給料が振り込まれる選手
  2. 企業の勤務を半日・柔道も半日として勤務時間となる選手
  3. 会社の勤務時間終了後、6時くらいから練習をする選手

上記の3パターンが多く、超強豪柔道選手の多くは1ですが、多くの実業団の選手は2か3で、2の場合であれば良い条件と考えるのが普通です。
ちなみに僕は現在、1で1日の時間は自分で決まることになっています。

皆さんは今回の記事を読んで実業団のイメージがどのように変わりましたか?
多くの柔道家が好き勝手柔道をできるといったわけでは無く選ばれた人間だけが勤務中に柔道ができるということです。
僕を含めて柔道家は勤務中にも関わらず応援してくれる企業に感謝の気持ちをもって稽古し、忘れてはいけませんね。
そして、企業や社員さんが一緒に柔道を応援してくれる、そんな関係になると素敵ですね!

僕が最後に言いたいのは企業というのは一人の柔道選手にお金がたくさんかかっていますので、本当は勤務をして勤務後に柔道をしてほしいはずだし、交通費や様々な経費を出すのは大変なはず。
こういった背景も踏まえて僕達、柔道家は日々の稽古や生活を1日1日大切にしていきましょうね!
ということで、僕の記事が皆さんの人生の参考になれば幸いです!
コメント・感想をお待ちしています。

最後に僕のBlogでは柔道・スポーツ関係の人が楽しめる記事、読者の皆様に役立つ記事を更新していますので、良ければ他の記事も参考にしてください。
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では、皆さん時間を大切に、良い1日を。