【柔道着が滑る?】ヌルヌル柔道着なんてあるのか?

2021年8月25日

柔道着が滑る!?ヌルヌル柔道着なんてあるのか?

こんにちは、土井(@takeshidoi)です。
「ぬるぬる柔道家」というのが流行した時代がありましたが、そのきっかけとなったのは秋山成勲選手の柔道と格闘技の大会でした。
実際に柔道着を掴めずに【ヌルヌル】で滑っている動画がこれです。


その一つが中村兼三選手(現:旭化成総監督)との試合

めちゃくちゃ滑っているのをアピールしています。
苦笑
この大会に関しては僕が言えることはありませんが、こんな滑るのか?逆に戦ってみたいと思いましたね!(笑)
僕個人的な感情では対戦相手なら「ずるい!」とか思うかもしれませんが、僕は客観的に見て勝利への執念がすごいな!と素直に感じました。
ですが、僕がするか?と言ったら僕はやらないですね!
勝利への執念は素晴らしいですが、僕には向いてないかな~。

早速本題に入りますが、今の柔道着の規格も昔の柔道着の規格に比べて少し滑るような感覚があると感じるのは僕だけでしょうか?
柔道は旧ルールからIJFの施策によって、柔道のルール変更、柔道着の道着チェック、柔道のランキング導入、賞金制度といった様々な施策がありましたが、この柔道着も大きく変わった点です。
特に昔の柔道着は“鉄板道着”と言われ、外国人選手の襟は硬すぎて持つのも辛いのが当たり前でしたから今の柔道着は柔らかいな!と素直に思います。

皆さんは昨今の柔道着についてどう思いますか?
“柔道着が滑る、持ちにくい、引っ掛けにくい“こういった疑問を僕はよく聞きます。

上記を踏まえて、今回の記事は柔道着のヌルヌルについて思うこと、すべる柔道着の作り方、柔道着の規格が変わったことで起きた現役選手の変化について現役選手として感じることをお話しようと思います。

柔道着をヌルヌルにする柔道着の洗濯方法

【柔道着が滑る?】ヌルヌル柔道着なんてあるのか? その1

ヌルヌル柔道着・すべる柔道着は故意に作れるのか?

僕の知っている知識から結論を言うと、柔道着の洗濯の際に【柔軟剤を大量(ボトル1本)に入れる】【すすぎ1回】【脱水1回】という特殊な洗い方をしていると、柔道の合宿で若手の時に時に話を聞いたことがあります。
こんなんで作れるのかよ?すべる柔道着が!と思うかもしれませんが、柔軟剤が多めに入れられた柔道着は本当に滑ります。
特に、柔道の引手と呼ばれる腕側の袖が持てません!
余談ですが、柔軟剤を1本丸ごと入れると約300円くらいしますよ(笑)

ちなみに10年近く前ですが、柔道着が滑るという話題になった時に“柔軟剤を1本も使うの?柔道で一本取るために?(笑)”何て下らないことをジュニア時代に話したりしましたね!
※ちなみにジュニア時代というのは全日本合宿の20歳以下の若手の頃の合宿。

ちなみに2003年のジャンクスポーツで秋山選手が、“道着を滑りやすくして有利に試合を進めるために、母親が柔軟剤のハミングを使って洗っている”という発言をしていましたね(笑)
※引用元 : wikipedia

現代のIJF認定柔道着も滑るのか??

【柔道着が滑る?】ヌルヌル柔道着なんてあるのか? その2

さて、今回とある方に10年ぶりに柔道の稽古しようと言われて、稽古した時に言われたことです。
『柔道着が滑る』もしかして俺ぬるぬる?と思ったのですが、実は昔の鉄板柔道着と言われた頃と比べて、今の柔道着の型が滑るのは間違い無いと僕も思っていました。
因みに、僕は全日本強化選手のため全日本柔道連盟のオフィシャルスポンサーであるMizunoの柔道着を着ていて、天理高校時代は九桜さんの「大将」という柔道着を着ていました。

最近ではadidas(アディダス)の柔道着も増えてきましたね。

※先に言っておきますが、これは決して悪口ではありません!

“昔の柔道着は硬くて持つのもしんどくて、袖も短いから今の選手が羨ましい”と言う人が時々います。

僕は一応、高校生の頃に硬い柔道着を経験しているので分かったことがあり、それは次の2つです。

  • 硬い柔道着は掴みにくいが引っかかるし、力が伝わりやすい。

  • 今の柔道着は柔らかい変わりに掴みどころが無く、引っかかる部分が少ない。

ということは、「滑りやすい」と感じるのだと僕は思いました。

握力(柔道着を持つ力)が強ければ柔道着は滑らない説

【柔道着が滑る?】ヌルヌル柔道着なんてあるのか? その3

“柔道着を握る力を強くするには握力を鍛えればいいのですか?柔道をしていれば握力とか、握る力は強そう!“

とよく言われることがあります。

“握力=柔道着を握る力“これは間違ってます(笑)

柔道は基本的に“指を柔道着に引っ掛けるテクニック”、“柔道着を抑えるテクニック”が重要でこれは握力とあまり関係ありません。
筆者である僕も柔道の全日本指定強化選手ですが、「左:60 右:58」ほどで29歳の一般人に普通にいます(笑)

おそらくですが、握力が強い一般の人が柔道着を持つと、上手いテクニックを持った人の柔道着は掴んでいられないのは間違いないです。
握力と柔道に関係が無いのは、柔道は柔道用の筋力が必要になってくるという柔道の特徴があるというのも理由の一つです。

今の柔道着が滑りやすいと思った理由

【柔道着が滑る?】ヌルヌル柔道着なんてあるのか? その4
※国際大会に出た時の柔道着

昔の柔道着に比べて今の柔道着は滑る!とよく聞きませんか?
僕の推測としては高校生と稽古した時に感じた僕なりの考えがあります。

“昔なら高校生は大人に柔道着に引き手の袖を絞られると動けませんでしたが、今では柔道着が滑りやすい、力が伝わりにくいと言ったことから組み合っても高校生・中学生が普通に柔道着を掴めるということ!”

こういったことを皆さんは感じませんか?
僕はいつも思います。
昔に比べ柔道スタイルの変化は勿論ありますが、あまりにも簡単に持たれるな~と感じていました。

また、昔はウェイトトレーニングが普及・発展していなかったのもありますが、柔道だけしてウェイトトレーニングを取り入れないというのがよく見られ、現代ではウェイトトレーニングをする選手は当然のように増え、柔道の実践練習を全く行わない日「中日」も作り、ウェイトトレーニングを中心に行う日を作る選手も増えてきました。

これは医療やトレーニング理論の発展も勿論ですが、柔道着の変化も関係していると僕は考えています。

“柔道着が柔らかく、力が伝わりにくい=掴めない。“

だから、袖口を引っ掛けて、袖口の中に指を入れる選手が増える。

僕自身も高校生に普通に袖を握っていては切られ、これはやはり昔じゃ考えられなかったなと思います。
時代の変化やルールによって、柔道のスタイル、トレーニング方法までも変わっていくというのも不思議な感覚ですね!
まあ、現代では柔道家がウエイトトレーニング・筋トレをするのはアスリートにとって効率的に上記のような要因を受け入れるといった意味でも必要なのかもしれませんね!

最後に僕は柔道着のサイズは細かいところまで別注です(笑)
(柔道着のサイズを別注で頼むと値段が高くなるので注意を!)

※※※昨今の柔道着のサイズと素材について、オリンピックやグランドスラムなどの世界大会では、柔道着の規程が決められています。※※※

柔道着に関しては人それぞれ意見があると思いますが、参考になれば幸いです。
では皆さん時間を大切に、良い1日を。