2021年世界柔道選手権を見て感じた感想

2021年世界柔道選手権を見て感じた感想 その1

こんにちは柔道-73kg級の土井(@takeshidoi)です。
今回世界柔道選手権を見て素直に感じたことがたくさんあったので、賛否両論はありますが現役の全日本強化選手として感じたことをお話していこうと思います。

まずは冒頭にですが、自分が全日本強化選手復帰を本気で考えるきっかけになったラシャ・シャブダトゥアシビリ選手(GEO)が-73kg級で優勝した時は素直に嬉しかったし、僕自身もっと日本の柔道環境でもっと柔道ができて、若かったら柔道だけをやりたくなったなーと思いますね!
ちなみに、彼は今回の大会で2012年の北京五輪では-66kg級で金メダル、2016年ロンドン五輪では-73kg級で銅メダル、2021年の世界選手権で金メダルというすごい成績ですよね!

まあ、そんな感じで今回の世界選手権について感じたことを素直にお話しようと思います!

世界選手権の柔道-73kg級について

惜しくも-73kg級の橋本壮一選手はマシアス・トミー(SWE)選手に敗れましたが、敗者復活選を勝ち上がり3位に入賞されましたね!
そして、-73kgの2021世界選手権を優勝したのは2012年の北京五輪で海老沼匡選手を破って優勝したラシャ・シャブダトゥアシビリ(GEO)選手でした!

実は僕自身も橋本選手を含め決勝戦に勝ちあがった両選手と試合をしています。
2015年のグランプリ・ウランバートルではマシアス・トミー選手と対決し、この時は僕が背負い投げで勝ちました。

2021年世界柔道選手権を見て感じた感想 その2

(ijfさんからの写真)

そして、優勝したラシャ・シャブダトゥアシビリ選手には2018年のグランドスラムアブダビの大会にて大内刈りで一本負けしました!
なので、この両者が決勝戦をした時は何故か懐かしいな!という気持ちになりましたね(笑)

ちなみにこのマシアス・トミー選手は背中を掴んでの隅返しを中心とした帯取り返しや帯をもって叩くスタイルが多く、手足がかなり長いので帯を持つ手を捌くのが難しく日本人にとってやりにくい選手なんですよね!
また、橋本選手が投げられた技も脇をさされての帯をもって、帯取り返しのような隅返しでしたね!

対して、ラシャ・シャブダトゥアシビリ選手もこういったスタイルなんですが、源流はジョージアの国技であるチタオバというスポーツで柔道とは少し違いますが、柔道着の袖の部分が無いような服を着て戦います。
そのため帯をもっての投げ技や、背中をもっての投げ技が多いのでありえないような態勢から相手を持ち上げたりすることが可能です。
こういった変則のスタイルがジョージアの選手の特徴ですね!

優勝した朝比奈沙羅選手の取った素晴らしい行動

2021年世界柔道選手権を見て感じた感想 その3

女子柔道78kg超級では朝比奈沙羅さんVS富田選手の日本人同士の決勝となりました。
結果的に、指導3で朝比奈沙羅さんが久しぶりに世界選手権の金メダリストになりましたが、その後にとった行動が話題になっており、僕も一人のアスリートとして素直に尊敬することができます。
また、彼女自身が医大生であることからとった行動だと考えられるため、柔道だけでなく人間性や医療の道で活躍していこうとする一人として凄いなと僕は素直に感じました!

やはりスポーツをする以上、スポーツマンシップな行動を見るとグッとくる部分もありますね!

最重量級で影浦心選手が12年ぶりに金メダル

ずっと日本人が勝てなかった階級だったのを皆さんはご存知でしょうか?

フランスのテディ・リネール選手が現れてから厳しい戦いが続いており、長い間金メダルを獲得することができない階級でした。
そんな+100kg級で12年ぶりに金メダル優勝したのが、フランスのテディ・リネール選手の連勝記録をストップさせた影浦心選手だというのも不思議な話ですよね!

また、これを感じたのは僕だけかもしれませんが、12年ぶりの+100kg級という柔道の花形復活に対してTVであまり取り上げられなかったのが少し寂しいですね。
話題性やTVの視聴率といった関係も勿論あるとは思うのですが、一人の柔道家として少し寂しいものですね。

-60kg級は日本人が優勝すると思っていた

今回僕が1番驚いたのが、-60kg級で日本人選手が優勝しなかったこと。
あくまでも古賀玄暉選手と永山竜樹選手を否定するわけでは無いのですが、それほど外国人のレベルが上がっているのだなーと素直に感じました。
特に外国人にはめちゃくちゃ強い永山竜樹選手が負けるとは思わないですよねー。

ちなみに、両選手は愛知県にある大成高校出身で先輩後輩になります。
また、2015年には愛知県で開催された東アジア選手権で決勝戦を戦っているというのも面白いですよね!
ちなみに僕もその東アジア選手権で-73kg級に出場しており、決勝では兄の古賀隼人選手と決勝をしています(笑)

2021年世界柔道選手権を見て感じた感想 その4

こんな感じで、ちゃっかり僕が優勝しております(笑)
ちなみに、その後の団体戦のメンバーはこんな感じです!

2021年世界柔道選手権を見て感じた感想 その5

画質が荒いのですが、愛知県出身の柔道選手を中心にメンバーが組まれています!
そのため大成高校出身の選手が多かったりするのが分かりますかね?

-66kg級ではやっぱり丸山城志郎は強い!

朗報なのが、後輩の世界選手権の2連覇!
凄い嬉しいニュースで、強敵と予想されていたイタリアのロンバルト選手にも勝利して優勝しましたね!

ちなみに、東京五輪では阿部一二三選手の1番のライバルは、この選手になるのでは無いかな?と僕は思っています。
実際に阿部一二三選手が連勝記録を更新している時にグランドスラム・パリで連勝記録をストップさせたのがイタリアのロンバルト選手ですしね!

まあ、なにはともあれ新型コロナウイルスの影響の中、練習のできない日々が続く中で優勝できたので素直におめでたいですね!おめでとう!城志郎!

今回の世界代表選考に選んでほしかったなと思う選手

不快な気持ちを感じる方もいるかもしれないので先に言っておきますが、あくまでもこの人たちを選んでほしかったな!と素直な僕の気持ちなので、選ばれた人たちを否定しているわけではありませんのでその点はご了承ください。

その二人とは-81kg級で圧倒的な内容で2021年の全日本選抜体重別選手権を優勝し、全日本選手権でも3位に入賞した佐々木健志選手と、同階級ながら全日本選抜体重別選手権で引退を発表した海老沼匡選手も選ばれても良かったのでは無いかな?とふと思いました。
あくまでも個人的な感情なので、選考には文句は何一つありませんが、ふと思ったことですね!

皆さんもそのような気持ちはありませんかね?
というわけで僕が感じた世界選手権の感想でした!
なにはともあれ柔道の日本代表が次は東京五輪に向けて良いスタートになりました!

それではこの辺で!
時間を大切に良い一日を!